さて、前回は雇用形態の種類、区分について説明しましたが、ここでは各雇用形態におけるメリット、デメリットをまとめてみます。
雇用形態にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、働き方や人によってはメリットがデメリットに、デメリットがメリットにもなり得ます。
こちらではポイントを挙げますので、自身にはメリットなのか、デメリットなのかを検討してみてください。
正規雇用
■メリット
・雇用期間の定めがないため、安定した雇用となる
・昇給昇格が見込め、賞与や退職金等がある
・福利厚生や研修が充実している
■デメリット
・転勤や業務変更がある
・直接の業務に関連しない業務も発生する
・副業(兼業)がしづらい
正社員
(前回のおさらい)一般的に雇用期間に定めのない雇用形態です。所定労働時間がフルタイムが基準となり、直接雇用の社員をいいます。
社会保険、交通費、住宅手当や自己啓発といった福利厚生が完備されており、賞与・退職金が支給される場合が多いです。
企業側
■メリット
・安定した雇用であり従業員にとってもメリットが大きいため、長期的に在籍いただける
・社内教育や人材育成に一定の時間をかけられ、将来的な業績向上につなげられる
■デメリット
・社内教育や人材育成にコストがかかる
・簡単には解雇ができない
非正規雇用
■メリット
・時間や勤務日等が調整しやすく、自分の希望する働き方が可能
・副業(兼業)がしやすい
・転勤が無く、業務の範囲が一定のため、不要業務が発生しない
・副業(兼業)がしづらい
■デメリット
・契約更新が確約されていない
・給与が時給制の場合もあり、休日が多い月は給与が少なくなる
・研修、教育を受けるチャンスが少ない
・昇給昇格はほぼ見込めない
・退職金制度が無い
・福利厚生面で正規社員と差がある
契約・嘱託社員
(前回のおさらい)有期労働契約となり、雇用期間に定めがある雇用形態です。非正規社員の中でも専門性を持っている方や、勤務時間がフルタイムなど、正社員に準じた働き方となります。
企業側
■メリット
・正社員と同じように仕事を任せられ、人件費は正社員より抑えられるケースがある
・スキルのある人を繁忙期など期間限定で採用できるため、人材調整がしやすい
■デメリット
・契約更新拒否や無期労働契約の申し出に対して、人員配置を改める必要がある
パートタイマ―・アルバイト
(前回のおさらい)パートタイマーは、同企業内の正社員と比べて所定労働時間が短く、雇用期間に定めがある雇用形態です。アルバイトとは、主に学生やフリーターなど、時間的に都合がつきやすい層を対象としている企業が一般的です。
企業側
■メリット
・繁忙期や閑散期など必要に応じた人員調整がしやすい
・正社員より時間単価が低いため、人件費の抑制にも効果的
■デメリット
・入れ替わりが激しいため、求人や教育も頻繁に発生しがち
派遣労働者
(前回のおさらい)勤務する企業の直接雇用ではなく、派遣元企業(派遣会社)と雇用契約を締結し、派遣先企業で業務を行います。給与、勤務・労働条件や福利厚生は、派遣元企業によって異なります。
雇用契約は派遣元企業となり、業務の指揮・命令は派遣先企業となります。
※派遣労働者には、「労働者派遣法」という法律が適用されます。
企業側
■メリット
・専門スキルを有する即戦力な人材を、手間と時間をかけずに集められる
・各種保険や給与計算の対応が不要
■デメリット
・派遣期間が決められているため、都度育成が必要になる
ここまで各雇用形態のメリットデメリットについて簡単に解説してきましたが、こちらに解説してある内容はごく一部となります。あくまでも基本的なポイントのみとなります。